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2012年の主な天文現象

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2012年の主な天文現象についてまとめてみました。 天文を題材とした行事予定にお役立ていただくと嬉しく思います。 2012年は大きな天文イベントが目白押しです。天文ショーの当たり年といえるでしょう。

流星の情報については、「日本流星研究会」内山茂男さん(千葉県柏市)にご教示頂きました。星食関連の予報は、 比較的充実しております。流星や星食は、アマチュアが天文学に直接かか わることのできる数少ない分野ですので、多くの観測者の得られることを 期待しております。
何かご不明なことや修正すべき点にお気づきの方がいらっしゃいましたら、ご 一報いただけますと幸いです。
(更新:2012.6.8 / 彗星の情報を追加しました)


  主な節気 (2012年1月〜2013年3月)
2012年
 2月 4日 立春
 3月20日 春分
 5月 5日 立夏
 6月21日 夏至
 8月 7日 立秋
 9月22日 秋分
11月 7日 立冬
12月21日 冬至
2013年
 2月 4日 立春
 3月20日 春分

  惑星の暦 (2012年1月〜2013年3月)
2012年
 2月20日 海王星 合
 3月 5日 水星   東方最大離角
 3月 5日 火星   衝
 3月25日 天王星 合
 3月27日 金星   東方最大離角
 4月17日 土星   衝
 4月19日 水星   西方最大離角
 5月14日 木星   合
 6月 6日 金星   内合/太陽面経過
 7月 1日 水星   東方最大離角
 8月15日 金星   西方最大離角
 8月16日 水星   西方最大離角
 8月25日 海王星 衝
 9月29日 天王星 衝
10月26日 土星   合
10月27日 水星   東方最大離角
12月 3日 木星   衝
12月 5日 水星   西方最大離角
2013年
 2月17日 水星   東方最大離角
 2月21日 海王星 合
 3月26日 金星   外合
 3月29日 天王星 合


  月の暦 (2012年1月〜2013年3月)
  新月      上弦      満月      下弦
2012年
           1月 1日   1月 9日   1月16日
 1月23日   1月31日   2月 8日   2月15日
 2月22日   3月 1日   3月 8日   3月15日
 3月22日   3月31日   4月 7日   4月13日
 4月21日   4月29日   5月 6日   5月13日
 5月21日   5月29日   6月 4日   6月11日
 6月20日   6月27日   7月 4日   7月11日
 7月19日   7月26日   8月 2日   8月10日
 8月18日   8月24日   8月31日   9月 8日
 9月16日   9月23日   9月30日  10月 8日
              (9月30日 中秋の名月)
10月15日  10月22日  10月30日  11月 7日
11月14日  11月20日  11月28日  12月 7日
12月13日  12月20日  12月28日
2013年
                               1月 5日
 1月12日   1月19日   1月27日   2月 3日
 2月10日   2月18日   2月26日   3月 5日
 3月12日   3月20日   3月27日


  主な天文現象 (2012年1月〜12月)

 3月 6日 火星の接近(小接近)
         地球からの距離 0.6737天文単位=10078万km

 5月21日 金環日食
   九州中南部から東北地方南部の広域で国内25年ぶりの金環日食

           第1接触  第2接触  食の最大  第3接触  第4接触
   鹿児島   06h13m    07h20m    07h22m    07h24m    08h42m
   大阪     06h17m    07h28m    07h30m    07h31m    08h54m
   東京     06h19m    07h32m    07h35m    07h37m    09h02m

 6月 4日 部分月食 / 全国
   部分食の開始 19h00m
   部分食の最大 20h03m  食分 37.6%
   部分食の終了 21h06m

   月の出の時刻
     札幌 19h00m, 仙台 18h47m, 東京 18h45m, 大阪 19h00m
     福岡 19h18m, 鹿児島 19h13m, 那覇 19h13m

 6月 6日 金星の太陽面経過 / 全国(8年ぶり)
                第1接触  第2接触  食の最大  第3接触  第4接触
   札幌         07h09m57s 07h27m43s 10h29m22s 13h30m19s 13h47m57s
   仙台         07h10m30s 07h28m17s 10h29m31s 13h29m59s 13h47m38s
   東京         07h10m47s 07h28m35s 10h29m39s 13h29m53s 13h47m31s
   大阪         07h10m53s 07h28m42s 10h29m55s 13h30m07s 13h47m45s
   福岡         07h10m58s 07h28m48s 10h30m14s 13h30m27s 13h48m04s
   鹿児島(川内) 07h11m09s 07h29m00s 10h30m17s 13h30m21s 13h47m58s
   那覇         07h11m43s 07h29m36s 10h30m36s 13h30m15s 13h47m52s

 7月15日 木星食 / 沖縄を除く全国(日中)
   月齢 25.5
               明縁潜入(潜入時間)  暗縁出現(出現時間)
   札幌         12h51m31s(75.4s)    13h57m27s(67.4s)
   仙台         13h00m12s(79.8s)    14h02m18s(71.4s)
   東京         13h05m40s(86.6s)    14h03m29s(77.6s)
   大阪         13h07m18s(99.6s)    14h01m01s(89.8s)
   福岡         13h10m01s(129.2s)   13h55m06s(118.0s)
   鹿児島(川内) 13h17m34s(164.8s)   13h52m38s(153.4s)
   那覇         食なし

 8月12/13日 ペルセウス座流星群極大。
  3大流星群の1つ。明け方に輻射点が高く上るので、宵よりも明け方の方が多くの流星
  を見られる。下弦過ぎの月がちょっと気になるだろうが、出現数は50〜80個/時程度
    であろう。

 8月14日 金星食 / 沖縄を除く全国
   月齢 25.9
               明縁潜入(潜入時間)  暗縁出現(出現時間)
   札幌         02h47m29s(53.6s)    03h50m31s(59.8s)
   仙台         02h45m13s(63.2s)    03h37m57s(69.8s)
   東京         02h45m14s(73.0s)    03h29m56s(79.4s)
   大阪         02h43m05s(67.4s)    03h28m09s(73.4s)
   福岡         02h41m26s(61.4s)    03h27m03s(66.6s)
   鹿児島(川内) 02h42m18s(70.2s)    03h18m22s(75.6s)
   那覇         食なし

12月13/14日 ふたご座流星群極大。
  年間最大の出現を見せる流星群。2012年は月明かりなく観測できる。
  2012年はピークが日本の夜明け頃にあたっており、14日の明け方に向けて出現数
  が増加していく。出現数は60〜100個/時程度。



  主な流星群 (2012年1月〜12月)
 1月 4日未明&5日未明 しぶんぎ座流星群極大
  3大流星群の1つで、明け方に輻射点が高くなるので、明け方に多くの流星が見られる。
  ところが、2012年は極大が日本時刻16時頃で、日本では極大が見られない、いわゆる
  “裏年”である。月は夜半過ぎに沈むので、3/4日は明け方に向けて出現数が増えて
  いくが、それでも出現数は20〜30個/時程度、4/5日は20個程度か?
  なお、この両日から1日ずれると2〜3個/時程度まで減ってしまう。

 4月22日未明  こと座流星群極大。
  月明かりがなく、この点では条件が良い。
  2012年のピークは日本時刻の昼間にあたり、日本での出現数は5〜10個/時程度。
  この群は、過去に何度も100個/時以上の突発出現をしているが、ダストトレイル計算
  によると、今年突発出現する可能性は低い。

 5月 6日頃  みずがめ座η流星群極大。
    薄明開始直前に、長経路の流星が見られる。今年は極大期に満月となるので、
  極大数日前の月没後に期待か。この頃の出現数は5個/時程度。
  極大日から2日程度ずれても、出現数は少ししか減らない。

 8月12/13日 ペルセウス座流星群極大。
  3大流星群の1つ。明け方に輻射点が高く上るので、宵よりも明け方の方が多くの流星
  を見られる。2012年の極大は12日21時頃だが、13日未明まで活発な出現が期待できる。
  下弦過ぎの月がちょっと気になるだろうが、出現数は50〜80個/時程度であろう。
  11/12日や13/14日だと半分程度に減る。

10月22〜24日 オリオン座流星群極大。
  2006年以後に活発な出現が観測されてきたが、2011年からは平年の出現に戻る可能性
  が指摘されている。
  2012年は、月が上弦の頃なので夜半頃に沈んでしまい、それ以後は好条件となる。
  出現数は、平年であれば10個/時程度で、極大から2日程度ずれても出現数は少ししか
  減らない。 

11月18日 しし座流星群極大。
  月明かりの影響なく観測できる。
  2〜3日間は5〜10個/時程度の出現か?

12月13/14日 ふたご座流星群極大。
  年間最大の出現を見せる流星群。2012年は月明かりなく観測できる。
  2012年はピークが日本の夜明け頃にあたっており、14日の明け方に向けて出現数
  が増加していく。出現数は60〜100個/時程度。
  ふたご座流星群の明るい流星のピークは全体のピークから半日近く遅れるので、
  これは日本の昼間になってしまい、夜間では明るい流星は少なめであろう。
  極大から1日ずれると、出現数はほぼ半分になる。


※ 出現数は人工光害のほとんどないところでの大体の値です。月明かりを考慮して推測しています。
※ 流星群のピーク時刻は全地球的なものです。実際には観測地の輻射点の高度が重要です。
※ 「13/14日」は「13日から14日にかけての夜」を意味します。


  主な星食 (2012年1月〜12月)
 1月22日 ξSgr(3.5等)の食
         暗縁出現/ 札幌:06h43m, 仙台:06h34m,東京:06h27m, 大阪:06h19m

 3月29日 ζTau(3.0等)の食
         暗縁潜入/ 札幌:23h00m, 仙台:23h05m,東京:23h09m, 大阪:23h11m
                   福岡:23h13m, 鹿児島(川内):23h16m, 那覇:23h28m

 7月15日 木星食 / 沖縄を除く全国(日中)
   月齢 25.5
               明縁潜入(潜入時間)  暗縁出現(出現時間)
   札幌         12h51m31s(75.4s)    13h57m27s(67.4s)
   仙台         13h00m12s(79.8s)    14h02m18s(71.4s)
   東京         13h05m40s(86.6s)    14h03m29s(77.6s)
   大阪         13h07m18s(99.6s)    14h01m01s(89.8s)
   福岡         13h10m01s(129.2s)   13h55m06s(118.0s)
   鹿児島(川内) 13h17m34s(164.8s)   13h52m38s(153.4s)
   那覇         食なし

 8月13日 ζTau(3.0等)の食
         明縁潜入/ 那覇:05h59m

 8月14日 金星食 / 沖縄を除く全国
   月齢 25.9
               明縁潜入(潜入時間)  暗縁出現(出現時間)
   札幌         02h47m29s(53.6s)    03h50m31s(59.8s)
   仙台         02h45m13s(63.2s)    03h37m57s(69.8s)
   東京         02h45m14s(73.0s)    03h29m56s(79.4s)
   大阪         02h43m05s(67.4s)    03h28m09s(73.4s)
   福岡         02h41m26s(61.4s)    03h27m03s(66.6s)
   鹿児島(川内) 02h42m18s(70.2s)    03h18m22s(75.6s)
   那覇         食なし

10月20日 μSgr(3.8等)の食
         明縁出現/ 札幌:17h19m, 仙台:17h20m,東京:17h19m

10月22日 βCap(3.1等)の食
         暗縁潜入/ 札幌:22h41m, 仙台:22h37m,東京:22h36m, 大阪:22h35m
                   福岡:22h33m, 鹿児島(川内):22h32m, 那覇:22h30m
         明縁出現/ 那覇:23h34m


  小惑星による恒星の食 2012年 好条件のリスト
M   D  h  m  Name           Dia(km) dur(s) star            mag   dmag
01 02 26 50 (790)Pretoria    176.0   10.4 TYC 0183-00145-1  9.94  3.9 好条件
01 06 18 30 (654)Zelinda     132.0    7.8 TYC 1739-02256-1 10.15  2.7 好条件
01 11 23 16 (360)Carlova     121.0   10.3 TYC 0776-00568-1  9.73  2.3 好条件
01 12 26 57 (140)Siwa        114.0   10.6 TYC 0835-01218-1 10.32  3.2 好条件
01 17 23 50 (266)Aline       113.0   10.0 TYC 0161-02333-1 10.49  2.3 好条件
02 29 22 50 (760)Massinga     74.8    9.8 TYC 5533-00768-1  9.85  2.0 好条件
03 18 18 37 (739)Mandeville  110.0    4.5 TYC 0689-02457-1 10.47  3.4 好条件
04 09 20 43 (12)Victoria     117.0    4.0 TYC 1300-02058-1 10.40  4.0 好条件
04 10 23 22 (455)Bruchsalia   87.5    5.6 HIP 64064         8.72  5.0 好条件
04 18 21 35 (624)Hektor      105.2    6.4 TYC 2471-00540-1 11.23  4.1 注目
04 18 23 41 (252)Clementina   72.1    5.0 HIP 68038         6.95  6.7 絶好
05 11 21 45 (28)Bellona      126.0   10.5 HIP 78870         6.54  4.7 絶好
05 11 23 36 (162)Laurentia   105.0    5.9 TYC 1414-00535-1 10.24  3.5 好条件
06 03 23 09 (3)Juno          267.0   18.7 TYC 5022-00057-1 10.74  0.5 注目
07 05 25 44 (69)Hesperia     143.0   10.8 TYC 5739-00029-1 10.35  2.1 好条件
07 28 24 53 (111)Ate         139.0   11.4 HIP 105042        8.08  3.9 絶好
09 14 21 18 (111)Ate         139.0   27.6 TYC 6330-00805-1  9.91  2.8 好条件
10 27 18 30 (977)Philippa     67.0    7.0 HIP 960           9.85  5.0 好条件
12 02 24 36 (829)Academia     44.0    4.4 TYC 2401-00661-1  9.68  4.2 好条件
12 29 24 13 (986)Amelia       53.0    3.6 HIP 38228         7.04  7.1 好条件

   日付時刻: JST
   Dia(Km) : 小惑星の直径(Km)
   dur     : 継続時間(sec)
   dmag    : 減光等級


  主な彗星 (2012年1月〜12月)
ガラッド彗星(C/2009P1 Garradd)
  2009年8月13日に G.J.Garradd(豪) により発見された新彗星。2011年12月24日に近日点
  (太陽に最も接近する位置)を通過し 7等級まで明るくなりそうだ。その後は太陽から離
  れていくものの 2012年3月5日には地球に最接近(1.3AU)するために、観察できる期間が
  長い。IAU の予報によると、2011年10月頃から2012年3月末まで 7等級台となり、また
  北半球での条件が良く双眼鏡で観察できるかもしれない。近日点通過前は夕方の空,そ
  れ以降は明け方の空が観察しやすくなる。2〜3月は天の北極に近く一晩中観察できる。

レビー周期彗星(P/2006T1 Levy)
  地球に 2012年1月22日に 0.192AU まで接近することにより 7.0等まで明るくなること
  が期待される。ただし 1月9日が満月で、最接近からそれ以降は南の低空に移動いくの
  で、1月10日〜1月末頃が観察の好期となりそう。この頃は、ガラッド彗星とともに双眼
  鏡級の彗星を一晩に2つ観察できることになる。

マックホルツ周期彗星(96P Machholz)
  7月15日に太陽に 0.124AU まで接近するために 2.4等程度まで明るくなる。しかしなが
  ら近日点(太陽に最も接近する位置)通過の前後は、太陽からの離角が近すぎて観察は困
  難。7月20日以降には 7〜8等級 ほどまで急速に暗くなるものの夕方の空で観察できそう。


※ 出典,参考文献
新こよみ便利帳  恒星社
Occultations by major and minor planets 2012 (Edwin Goffin)
OCCULT Ver4 (David Herald)
IAU Minor Planet Center ウエブサイト
協力:内山茂男様 (日本流星研究会)


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